銀杏古書堂の素人ネタ

Bがボケて、Aがつっこみます。逆にすればよかったと思っています。たまに違うやつもあります。贔屓目に見てセトウツミのパクリみたいなもんです。

◯幸せ

B「この前久しぶりにCに会って思い出したんやけど」
A「うん、何を?」
B「2万借りてんねん」
A「いつぐらいに借りた2万なん?」
B「学生の時やから7年ぐらい前」
A「むっちゃ前やん。Cも覚えてないんちゃう?」
B「いや、覚えてると思うなぁ」
A「そう思うなら余計に早く返さな」

B「タイミングがなぁ」

A「タイミングとかないやろ」
B「でもな」
A「うん」
B「あいつ結婚して子供おるやん?」
A「うん」
B「仕事もある程度安定してて、車とかも買ってるわけやん?」
A「うん」
B「てことはさ」
A「うん」
B「不幸の逆なわけやん?」
A「幸せ、でええやん。なんで不幸ベースで物事を考えんねん」
B「2万ぐらいよくない?」
A「最低やな。よくないやろ」
B「結婚して子供おる事が幸せってわけではないやろけどさ、一般的にはそうなわけやん」
A「まあなぁ」
B「30歳独身男ってだけでちょっと常識ないと思われてる節もあるやん」
A「そうか?それは考えすぎちゃう?」
B「この前も結婚して子供おる友達と飯食ってて」
A「うん」
B「もうすぐあいつの結婚式やなぁって話になってさ」
A「うん」
B「新郎も新婦も知り合いやねんよ。その場合の祝儀どうする?って」
A「えっ、3万とかでええんちゃうの?」
B「両方とも知り合いやから倍の方がええんちゃうか、って言ってて」
A「そういう考え方もあるんやな」
B「やろ?んで俺も疑問に思いながら、それやったら3万の倍かぁって適当に返したら」
A「うんうん」
B「それやったら6万で割り切れてまうから5万か7万で、って言ってきて」
A「ほうほう」
B「はぁぁぁぁぁ!?そのぐらい分かっとるわ!って思って」
A「まぁ日本人ほとんど知ってることやしな」
B「そうそう。その時の、結婚して子供もおる俺はやっぱり常識人、結婚してないお前はやっぱり非常識人感が物凄くて」
A「んでどうしたん?言ったん?」
B「その時、そいつの奥さんと子どもも一緒にご飯食べてたんやけど」
A「うん」
B「その話をしてる時にちょうど子供が何かをこぼしてさ、その奥さんが、もぉ〜!って言いながらそれを拾って子供の口をおしぼりで拭いてあげててさ」
A「うん」
B「子供は右手にスプーン、左手にフォークを持ってテーブルをとんとんしてて。満面の笑みで」
A「……」
B「それをその友達は菩薩みたいな顔で見てて」
A「……」
B「その菩薩みたいな顔で嫁と子供を眺める友達を俺は見てて」
A「どんな顔で?」

B「ウノって言うの忘れたことに気付いた時みたいな顔で」

A「分かりにくいねん。んでどう思ったん?」
B「ええなぁって」
A「負けとるやないか」
B「幸せってきっとこういう事を言うんやなぁって」


A「ちなみにそれと2万を返してない件は一切関係ないから、すぐに返すように」
B「御意」