◯出しゴム
A「高校時代がもう12、3年前って信じられへんよな」
B「確かにな。な〜んも変わってないわ。あの頃から」
A「結局最後までチャイムの音に慣れへんかったわ」
B「ああ、なんかオルゴールの音みたいなやつやろ?」
A「そうそう」
B「どこかっこつけとんねんな」
A「ほんまそれやで。それはそうと、俺まだBとした会話でまだ覚えてるやつあるわ」
B「どんなやつ?」
A「出しゴムのやつ」
B「ああ、出しゴムのやつね」
◯
B「出しゴム貸してや」
A「なんやねん出しゴムって」
B「消しゴムで消したやつを出すやつやん」
A「出すやつやん、ってそんな当たり前のように言われても」
B「消しゴムはある?」
A「あるよ」
B「じゃあ出しゴム出せや」
A「こわいこわい。じゃあの意味も分からんし」
(チャイムの音)
A「慣れへんわ〜」
B「まだ慣れてへんの?もう2年も中盤や言うのに」
A「一年の途中まで普通のキンコンカンコンやったやん」
B「俺はすぐ慣れたで」
A「うそん、どうやって?」
B「着信音にしてるから」
A「うそつけ」
B「家の電話のな」
A「イエデンの!?」
B「……」
A「……」
B「そんなんええから早よ出しゴム出せや」
A「持ってたらもう出してるわ」
先生「はーい。はじめるぞー」
A「英語苦手やわぁ」
B「俺もやわ。今急に海外に放り出されたら即死する自信ある」
A「どういう死因やねん」
B「地球の歴史から言うたら人生80年なんて即死みたいなもんやん」
A「英語も海外も関係ないやん」
◯
A「懐かしいな」
B「確かにな。そんなことより、早よ出しゴ…」
A「ない」